Caapa × 博多マルイ × のぶゑ 特別対談!
登場人物紹介
●Caapa(チャーパ)
筑紫女学園大学セクシュアルマイノリティアライ団体。結成2年目。8名で運営。名前の由来はサンスクリット語で「虹」。結成1年目は方針決めに終始。2年目に入りLGBTを中心とした学外の勉強会への参加、学内への啓もう活動を進めている。
●博多マルイ
600回以上の「お客さま企画会議」を実施し、のべ15,000人以上のお客さまの声をもとに店づくりを進め、2016年4月21日博多駅前に開店。ユニバーサルデザインの導入や九州レインボープライドへの参画、レインボーウィーク、ユニバーサルウィークの開催など、年代・性別・身体的特徴を超えた「すべて」のお客さまの「しあわせ」の実現を目指す。
●あなたののぶゑ
九州レインボープライド実行委員会の代表。LGBTだけでなくどんな人でも豊かに「らしく」生きられるような社会になればいいなと思って活動している。現在では「障がい者グループ」や「こどもばんぱく」などの多様なグループと交流を持ち多角的に活動している。
ダイバーシティとは、
「自分にできることはないか」「もっと知りたい」という
サポーティブな意識・活動だと思います。
- のぶゑ
- まずは、学生が求めるダイバーシティと、企業が求めるダイバーシティの違いは何だと思いますか?
- Caapa
- 小中一貫校から外部の高校に進学した際、不登校やLGBT当事者など今まで周りにいなかった人と出会い「ドラマの中だけの話じゃないんだ」と気づきました。とか、現在、心理学を学んでいて、将来、その専門性を活かして仕事をする時、知らないことで相手を傷つける可能性があることに気づきました。とか、興味本位で訪れた「LGBT」がテーマの講演会で深く感銘を受け、自分にもできることを見つけたいと考えCaapaに参画しました、とか。それぞれが様々な気づきと動機があります。マイノリティだけではなく様々な「人」が生きづらいと感じる事をその悩みを持っていない人も共有して、どうすれば良い方向に向かうのかを考えていくことがダイバーシティにつながるのではないかと思うので、私たちが考えるダイバーシティとは、「自分にできることはないか」「もっと知りたい」という純粋な気持ちが起点となったサポーティブな意識・活動だと思います。
- 博多マルイ
- 企業の役割は、本業を通じた社会課題の解決により、その活動を継続できるように利益につなげていく、ということだと思います。LGBTに限らずあらゆるマイノリティの人たちは、生活の中で当たり前のサービスを受けることが難しい、あるいはサービスが提供されていないことがあると思います。それらを解決し、サービスを提供することは、企業の経済活動であり、企業の経済活動がからむことで、社会に対してより大きな輪へと広げていくことができると考えています。
- のぶゑ
- 両者がダイバーシティを一緒に考え、行動したら何ができると思いますか
- Caapa
- 私たち若い世代には、社会や大人たちが設けた「偏見やハードル」を乗り越えようという意識が特になくても自然と乗り越えていける力があるのではないかと思います。そして今の私たちのように発言していくことで、「こういう時代になったのか」と若い世代も大人世代も受け入れやすいのではないかと思います。
社会課題の解決は、「金儲け」だけでは達成されない。
バランスが重要だと思っています。
- 博多マルイ
- 私たち丸井グループが目指す本業を通じた社会課題の解決をするアプローチに対して、学生の純粋な想いを、本業(=経済活動)に乗せて発信することで、より多くの方にダイバーシティという考え方を浸透させることができるのではないでしょうか。ぜひ一緒に実現していきたいです。
- のぶゑ
- まずは最初の一歩としてどんなことができると思いますか?
- 博多マルイ
- 九州レインボープライドの会場で博多マルイのブースを、アテンダーとして学生に参画してもらっても面白いと思いますし、実際に博多マルイまでご来店いただき当舘のテナントさまでアライを表明してくれている店舗を、学生がアテンドするとかできるといいですね。
- のぶゑ
- 今後、ダイバーシティを軸に、企業・大学はどう進んでいくと思われますか
- Caapa
- 今、私たちは、大学という枠に守られ、先生たちのサポートがあってこそ楽しく過ごせています。でも一歩社会に出た時には、生きづらい状況が誰にでもあると思う。だからこそ今、自分たちの取り組みを大学の枠を超えて社会に広げることで、少しでも社会の生きづらい状況が改善されていくとうれしいです。
- 博多マルイ
- 私どもの使命は「お客さまの選択肢を作り、選びやすくする」ことではないかと思います。すべてのお客様に豊富な選択肢があり、選びやすいということが当たり前な世の中の実現が、ひいてはすべての人が豊かに暮らせる世の中なのではないか、またそのような世の中を次の世代に引き継いでいきたい、という想いから生まれています。本業を通じた社会課題の解決は、「金儲け」だけでは達成されないと理解していてバランスが重要だと思っています。
- のぶゑ
- 九州レインボープライドの印象はいかがですか
- 博多マルイ
- 九州レインボープライドは渋谷と違い子どもやファミリーが多く温かみを感じます。九州レインボープライドは、全ての未来の子ども達のために、という副題がある。これは、当事者の実体験として一番辛かったのは子ども時代だったということがあるのではないのでしょうか。子ども時代は、親にも先生にも友達にも、誰にも言えなくて悩んでいた、というような。セクシュアルマイノリティに限らず、いろんなマイノリティの生きづらさを抱えている子ども達がいるから、LGBTの窓を通して、ダイバーシティを感じてもらいたい。そんな思いのもとに、結果的にいろんなマイノリティの人の参加がどんどん増えている。
- Caapa
- お祭り好きな福岡という地域ならではの特異な成長の仕方だと感じます。地域のお祭りや恒例行事としても認知されてきている。「学ぶ」ではなく、「触れる」と言う感じで、感覚的にダイバーシティを体感できるのが環境として敷居も低く、とてもいいと思います。
- 博多マルイ
- のぶゑさんは博多マルイにはどんな印象をお持ちですか
- のぶゑ
- 博多マルイのビッグビジョンでは年間通してのレインボーの「enjoy DiverCity」が流れていますが、それを見ると「マルイもアライだよ」というメッセージが伝わってくるのでとても親近感が湧きます。それにマルイさんのテナントの中でもチラホラとレインボーフラッグがかかっている店舗を見かけることがあります。一店舗さんにも「浸透していってるんだな〜」と嬉しくなったりしています。
- のぶゑ
- 今度は私からの質問です。九州レインボープライドの博多マルイのブース出展について、本年はどのようにお考えですか。
- 博多マルイ
- 「学生×マルイ」で取り組むことで、マルイのアセットありきでのブースではなく、お客さまのニーズが起点となったブースつくりが実現できると良いと思っています。
- Caapa
- 学内のダイバーシティ関連の各団体を「Caapa=チャーパ」を通じて取りまとめ、活動の幅を広げられたらいいのではと。個人や1団体では動きにくいことを、みんなの力で解決していければうれしいです。
対話を通じた総括
●Caapa、博多マルイ、のぶゑ
若い人と話をして、自分の若い時とは比較にならないほど意識が高いと感じました。「多様性」という言葉を知らなくてもそのまま体現しているように思います。これまでの世代が、勝手な枠組みを設けてしまっていたのが現状ですが、次の世代との対話を通じて、そういう概念のない世界が見えてきたのではないかと少し感じました。今後も是非一緒に頑張っていきましょう!